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オンラインゲームとRMTの歴史を振り返る

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dApps界隈はEtherTownやKittiesを筆頭に、新作がどんどんリリースされて徐々に盛り上がりを見せていると感じます。
私はあまり幅広く追えている訳ではないのでdAppsゲームそのものに詳しくはないのですが、それでも現状殆どのdAppsゲームと切り離せないのがゲーム内資産の換金性だと思います。

それは例えばゲーム内での何か(クリア、報酬、配当等)に対して独自TokenやEthが配布されたり、他の買い手に対して売れたりとかのものです。という事は現状殆どのゲームとプレイヤーは報酬を目当てに動いていくという事になるでしょうか。

自分が好きなゲームを遊んでゲットしたアイテムを売って現金や暗号通貨をゲット…なんて考えると夢が膨らみますよね。実は20年程前のオンラインゲームでもそういう仕組みグレーゾーンながらありました。またゲーム自体に最初からそういう機能が組み込まれた物もありました。

しかしゲーム内の資産が換金出来る事、それが持続可能且つ皆にとってハッピーな形というのは相当難しいのです。ゲーム内資産の換金は過去から多くの影響をゲームに及ぼして来ました。それが具体的にどんなものだったのか、今回は私の過去の記憶を掘り起こしてみます。

1996 Diablo 〜オンラインゲーム普及の兆し〜


オンラインでのハックアンドスラッシュというジャンルを確率した超有名なアクションRPGです。ここでの資産は強力な武器や防具、装身具でした。
通常強い装備を入手するには冒険を重ねたりNPCの店を只管訪ねて当たりを買う、みたいな形で入手しており、当時遊んでいた人は装身具が敵から出た時の効果音に身体が反応する、なんていう懐かしいネタもあるかと思います。
しかし残念ながらDiabloの資産≒アイテムデータはLocal Computer側保存であり平文で容易に改ざんと複製が可能でした。知らない人達と一緒に遊んだ時に”親切”な人が超強力アイテムをばら撒いてくれたりする程です。
ですので結果としてDiabloのアイテムには金銭的な資産性は産まれませんでした。

1997 Ultima Online(UO) 〜RMT誕生〜


世界初MMORPGの登場です。MMO~とは24時間365日動き続ける(メンテナンス時間以外は)箱庭の様な世界に数百、数千というプレイヤーが集まって好き勝手に遊ぶゲームです。

UOでは戦士から魔法使い、獣使いや職人、商人、盗人、PK、etc・・・と色々出来る、元祖にして未だこれを超えるMMORPGは出ないという程の作品です(ゲームデザインのみでなく、話題性とプレイヤー人口の一極化により実現したと私は捉えています)
さて問題の資産と経済についてですが、ここでついにオンラインゲームの資産が現実での金銭価値を持つ事になりました!
理由を幾つか挙げてみましょう。

  • 殆どのゲームデータがサーバ側で管理されていた為、プレイヤーによる複製や書換不可
  • 死亡時にほぼ全ての持ち物を落とし、他人もそれを拾える為、アイテムの流動性が高い
  • 武器防具や道具は耐久力を持っており消耗品
  • 限られた土地の中でプレイヤーが所持可能な限られた不動産があった

上記の様な状況でしたので、活動には基本的に消耗品が必要でゲーム内マネーの需要は高く、不動産は最も価値が高いものとなりました。
マジックアイテムの装備もあったのですが、戦闘≒死亡と喪失のリスクに繋がる為に価値は低いという状況です。
そんな需要に答える為にRMT(Real Money Trading)という言葉と商売が産まれた訳です。代表例を挙げると、不動産は城が100万、タワーが30万とかそんな相場でした。
ちなみに中華業者Botはこの時居なかったです。技術的に発達していなかった事が一番かとは思いますが、MPKやPKが容易に可能なシステムなので恐らくBotが居ても駆逐されて戦利品を奪われる運命だったでしょう。ゲーム内マネーの需要はそれなりにあった様に見え、RMTの需要もそれなりだった様に見えます。

※PK・・・Player Killer、プレイヤーが動かすキャラクターを倒す行為
※MPK・・・地形や移動に影響を与える行為でモンスターがプレイヤーを倒す幇助を行う行為

1999 Everquest(EQ) 〜アカウント売買の台頭〜


戦闘と攻略に特化したMMORPGの初登場です。ちなみにFF11はEverquestのフォークです!
このゲームははっきり言ってキャラのレベルと装備こそ命でした。
初期は殆どの装備品がTradableでしたが、途中から装備品のインフレやRMTを懸念してなのか、一度装備すると譲渡不可になる物が増えてきました。(装備品のインフレとは高レベルのキャラが強い装備を安価で売り捌く事により、後発プレイヤーは冒険で入手するより安価で強い装備品を購入する方にインセンティブが働き、ゲーム性が損なわれる事です)

ちなみに一部の装備については入手難易度が半端ではなかったので、超人気ゲームであったにもかかわらず世界で数名しか持っていないという状況もありました。
それに加えて大抵の物は適切な者がその後の攻略の為に利用し、装備後は譲渡不可だった事情等から、ここでついにアカウント売買のRMTが登場します。俗にいう「誰々さんの中の人変わった?」ってやつです。実はこんな昔からあった訳ですね

ちなみに凄まじい廃人ゲームであったにも関わらず中毒性が高く、欧米では局地的に社会問題になっていた様です。主に家族持ちの大人が仕事や家族よりゲームを優先してしまうという状況です。

※このゲームの超級装備を入手するには本人のスキルや運だけでなく、攻略に継続的に貢献する、コネクションを持って維持する等、本当に一握りのユーザしか入手出来ない装備が存在したのです

2002 Ragnarok Online(RO) 〜中華Bot爆誕〜


日本では大人気、間違いなくMMORPGを日本で流行らせたのはこのゲームがきっかけでしょう。
私は遊んでないので詳細は省きますが、自動で狩りをするBotが結構問題になって居ました。低レベル帯の雑魚が高級アイテムを超低確率で落とす為に、それを只管狩り続けるBotが横行したのです。

当時はインスタンス制ではないから狩場は限られていた上、Botを止める手段に乏しくプレイヤー達は皆文句を言っていたのが印象的です。確認はしていないですが、プレイヤー間トレードが盛んだったので良くも悪くもRMTはかなり盛り上がったでしょう。

※他にも色々作品はありますがアジア圏のMMORPGは総じて合意無しPK不可のシステムが多く、Botが大活躍していた印象があります。

2012 Diablo3 〜公式プレイヤー間RMT〜


なんとついに運営公式RMTプラットフォームが登場しました。これは歴史的な出来事ではないでしょうか?ゲームで拾ったアイテムをゲーム内オークションでUSDを使って売買できるのです。

併せて当時のゲーム内最高難易度(Inferno)は凄まじく敵が強かったのです。昨今では中々お目にかかれない、昔のファミコンゲームさえも凌駕するのではないかと思う敵の強さでした。
当然拾えるアイテムの質は難易度に比例しますのでプレイヤー達はこぞって最高難易度のクソゲーに挑戦していました。文字通りのトレジャーハントです!

と、ここまでは良かったのですが…プレイヤー側のトレハン効率化と運営側からのゲームバランス調整の戦いは厳しいものでした。
最早笑い話なのですが、ハクスラなのに敵を倒さずオブジェクト破壊して稀に出てくるアイテムを狙ったり、敵を無視して固定で出てくる宝箱だけを狙う方が効率が良い時もありました。
しかしこうした効率の良い手法、または特定の強力な戦術が編み出されては運営によって潰されるイタチごっこになってしまったのです。

勿論ここでもBotが大活躍?します。24時間365日稼働するBot達は延々と市場に商品を供給し続けます。そして間もなくゲームの難易度は下げられ敵から得られる良アイテムの取得確率は極端に下げられました。
更にプレイヤー側から市場に供給される中級アイテムにより装備がインフレ化し、上級アイテムは滅多にお目にかかれない状態です。

率直に言って、ゲーム内でアイテムを探すよりも現実世界で働いて欲しいアイテムをオークションで買う方が早いという状況になったので、ハクスラの醍醐味が大きく失われたと言わざるを得ません。
その後運営はRMTオークションを廃止しましたが、その頃にはDiablo3は大半のコアなファン達から見放されていました。
前作であるDiablo2+拡張はハクスラ史上の傑作であった為、失望したハクスラファンがネットに溢れた事でしょう。私もその一人です。

まとめ

いかがだったでしょうか。上記はあくまでも私の視点なのですが、ゲームに対して直接的にお金が絡むという事がプレイヤー側や運営側に何を引き起こすか多少は体験談として伝わったでしょうか? (これでも詳細はかなり省いてざっと流しました)

ところでBotによる稼ぎ行為はMiningに似ていますよね。初期のMMORPGでは狩場をBotに専有される事が多くプレイヤー側のストレスが大きかったのですが、途中から狩場はインスタンス制(一部エリアだけパラレルワールド)が大半になったので、Botが直接的に邪魔という状況は減ったと思われます。しかしゲーム内経済には少なからず影響を与えたはずです。

最後に挙げたDiablo3公式RMTプラットフォームですが、これはRMTからゲーム性への影響という意味では最悪のケースと言って良いかと思います。Bot稼働や過度なアイテム供給による装備のインフレ等は予測可能な筈であり、運営の手腕に問題があった点は否めません。
しかしこうした経済というのはゲームのデザインとは少し異なる領域なのかもしれません。とは言えここまで酷い悪循環を作るとは私も予想しませんでした。

具体的には下記の様な流れになります。

  1. 高効率な回転やBot等による過度なアイテム乱獲+市場供給
  2. インフレ防止策として運営側によるレアアイテム出現率の低下調整、効率の良い狩場の見直し
  3. 通常のゲームプレイによる獲得よりオークションで現金購入する方が遥かに効率的に
  4. 結果、ハクスラのコアな要素である冒険によるアイテム獲得がほぼ不成立に

つまりプレイヤー間トレードによる換金性が高く作業化が可能なゲームである程、ゲーム内の経済はプレイヤーに大きく左右される為にインフレ防止等のコントロールや、適切なエコシステムの構築が必要になると言えます。(これが当てはまらないタイプのゲームもありますが割愛します)

個人的には今後dAppsゲームと換金性、トレードによるゲーム内への影響というのは避けて通れない問題になると考えています。繰り返しますが”普通に面白いゲームで尚且つ稼げる”というのが凄く難しいという事です。面白いゲームのデザインと持続可能な経済、エコシステムを作る事を両立しなくてはならないケースが増える事が予想されますが、どこまでそれが実現出来るでしょうか。

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